問題を発見し解決に導く
医療ソーシャルワーカー(MSW :Medical Social Worker)とは医療福祉相談員などとも呼ばれ、病院などに勤め、患者や家族の抱える経済的・心理的な相談にのり、問題を解決に導くためのサポートをする相談員のことです。
MSWが働く病院
病院は病状や期間によって種類が分けられています。主に急性期・リハビリテーション・療養・精神の4種類に分かれ、そのうちの急性期・リハビリテーション・療養を目的とした病院で働くソーシャルワーカーをMSWといいます。MSWの仕事は多岐に渡り、それぞれの病院によって求められる役割が異なります。
MSWが入院対応時に求められる役割
MSWが入院対応時に求められる役割は急性期・リハビリテーション・療養それぞれの病院によって変わります。
急性期病院では、患者の入院期間が短いため、患者の退院や転院先を早々に決めることが求められます。基本的には患者本人と話を進めますが、重症の場合は本人と相談ができないことが多いため、家族と退院・転院について相談します。
リハビリテーション病院では、患者のリハビリテーション計画や体調の変移により、施設入所やサービス利用、在宅医療等の調整が求められます。MSWは患者とその家族と数ヶ月にわたって関わることになります。
療養型の病院では、入院が長期間になることも多く、ベッドの空きを管理する役割を担うこともあります。高齢者の患者が多いため、時には病院で看取ることもあります。
MSWの必要性の認識と抱える問題
MSWは病院において、医療の視点だけではなく福祉の視点で、患者の退院や経済的問題など抱えている悩みや問題などを解決に向けて支援を行う専門職です。
MSWに相談をする患者の多くは経済状態に問題や、家族関係にも問題を抱えていることも多くあり、解決のために患者とその家族に深く関わる必要が出てくることもあります。そのため、利害関係に巻き込まれそうになることもあるため、患者と家族の抱えている問題とは適切な距離をとりながら、患者と家族に寄り添う必要があります。
病院においてMSWは医療制度上、医師や看護師と違い、配置に法規定がなく任意配置となっています。大きな病院ではMSWの配置が進んできましたが、まだ他職種にその仕事内容と必要性が認識されていないケースも多いようです。また診療報酬が適用にならない仕事内容も多いため、経営側もあまり注目していないなど、取り巻く環境は大変厳しいと言えます。