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MSWの現状と将来性

将来性と課題

近年の少子高齢化に伴い、MSWの需要は高まっていますが、設置している医療機関はまだまだ少ないです。ここではMSWの現状と抱える課題と、将来性についてまとめています。

将来性と課題

現状と課題

近年、日雇派遣などの非正規雇用の増加や失業などにより定住先がなく、インターネットカフェなどを寝泊りの場として生活を送り、体調が悪くても通院費用や健康保険証を持たない人々が、救急来院する場合があります。MSWは医療機関や福祉機関などへの働きかけや制度の活用で、このように雇用と経済的課題を抱えた人々の生活支援を行っています。
しかし、医療ソーシャルワーカー(MSW)と聞いてどのような職業なのかわかる人は実際のところ一握りで、その社会的認知度は決して高くありません。高齢者などにとっては相談係といった方が伝わると思われますが、MSWの名として仕事内容や役割を周知する必要があるでしょう。
高齢化社会に伴い一人暮らしの高齢者が増加していることから、医療機関と地域の連携や支援体制づくりが求められ、さらにMSWは経管栄養法を行うかの判断や、残された老後の過ごし方など、患者の意思決定への関わりも必要とされています。高齢者以外にも、医療ケアが必要な子どもや未受診の妊婦への支援、難病などの治療と仕事を両立するための支援や外国人への支援など、MSWのニーズはさまざまです。
MSWは医療機関や福祉機関で働いている他職種の補佐役です。医師や看護師では対応できない患者の悩みや問題を補いサポートをしています。患者により良い支援をするために提案をしても、組織での補佐役のためなかなか実現が難しいことが実情です。そのため、組織の中でMSWの地位向上が課題となります。医師や看護師などさまざまな協力は必須ですが、MSWの地位が向上することで、MSWの意見が尊重されるようになってくるでしょう。
現在、MSWの仕事内容のほとんどについて支払いが発生せず無償のため、ボランティアに近い扱いとなっています。その業務は多岐に渡るため、診療報酬の点数規定を定めて報酬体制を確立することは簡単ではありませんが、今後さらにニーズが高まっていくであろう重要な仕事なので、担い手を増やすためにも国や自治体から適正な報酬が支払われるような改善が必要です。社会的な地位が認められるようになれば、組織内で十分に力を発揮することができるでしょう。

MSWの将来性

現在MSWは、組織として設置されていない病院が多く、医療機関で全国で一万人を超える程度の人数しかいません。しかしながら、近年の少子高齢化に伴い医療と福祉の連携が重要視されており、MSWの役割は欠かせないものとなってきています。そこで、老人介護施設や在宅介護支援センターなど介護施設や、学校のカウンセラーと共に配置されたりと、従来の医療機関以外にも活躍の場が増え、MSWの需要はますます高まっていくことでしょう。

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